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April 03, 2026 |
ESG開示基準の最終案の確定及びESG開示制度ロードマップの草案発表ESG開示基準の最終案の確定及びESG開示制度ロードマップの草案発表 市場に参加する投資家や政策決定者などが企業の持続可能性を判断するために、企業活動による気候変動など環境への影響、社会的責任の履行、ガバナンスに関する情報開示への要求が高まっている。国際的にはすでに欧州連合(EU)諸国を中心に環境・社会・企業統治(ESG)開示が実施段階に入っており、日本でも2027 年6月から時価総額3兆円以上の東証プライム市場上場企業を対象に段階的な適用が義務化されている。韓国では24 年4月に持続可能性開示基準の草案を発表して以降、積極的な動きが見られず、持続可能性開示の面で遅れているとの評価があった。しかし、今年2月に金融委員会がESG開示制度のロードマップ(行程表)草案を提示し、これに合わせて韓国会計基準院は持続可能性開示基準書第1号および第2号を制定・公表した。 ESG開示制度ロードマップの草案によれば、28 年(27会計年度基準)から、連結資産総額30 兆ウォン(約3兆円)以上の韓国有価証券市場(KOSPI市場)上場企業(58 社、約6.9%)を対象に段階的に開示を義務化する予定である。さらに29 年からは、対象範囲を連結資産総額10兆ウォン以上のKOSPI上場企業へと拡大し、その後については国際動向や企業の準備状況などを踏まえながら、追加的な拡大について議論していくこととされている。これは、日本において、27 年6月(26 年度基準)から開示制度が施行されること、また一部の韓国の大企業については29 年(28 年度基準)からEUの域外開示義務が適用されるため、事前に開示経験を蓄積しておく必要がある点などを考慮したものである。ただし、開示初年度に限り、連結対象の子会社のうち資産または売上高が連結基準の10%未満である国内外の子会社については、開示義務を免除する。なお、金融委員会が当初提示していた「資産総額2兆ウォン以上の上場企業」という基準と比較すると大きく後退したようにも見えるが、EUや米国などにおける開示緩和措置や、各企業の対応能力を考慮すれば、合理的であると考えられる。 温室効果ガス排出量は一般に、スコープ1(直接排出)、スコープ2(エネルギー消費などによる間接排出)、スコープ3(バリューチェーン全体における排出)に区分されているが、このうちスコープ3については、温室効果ガス排出量の算出のためのインフラ整備などを考慮し、その開示を3年間猶予し、原則として31 年から開示を義務化することとされた。また、中小企業基本法上の小企業(業種別に売上高が最大140 億ウォン以下)であり、かつ高炭素排出業種(鉄鋼、アルミニウム、セメント、肥料、電力、水素)に該当しないバリューチェーン内の企業については、開示義務を免除する。ただし、将来、法定開示へ移行する際には、この免除範囲を再検討することとしている。一方で、高炭素排出業種には該当しないものの売上高が140 億ウォンを超える企業がバリューチェーンの中に含まれている場合には、上位のバリューチェーン企業からの資料提出要請に備え、炭素排出情報をより精緻に管理しておく必要があると考えられる。 開示基準の適用については、国際的に基準が確立している気候関連開示をまず義務化し、気候以外のESGについては企業が選択的に開示できるようにした。また、開示チャンネルについては、課徴金や刑事処罰の対象となり得る法定開示として直ちに導入するのではなく、一定期間は取引所開示として運用した後、法定開示への転換を検討することとし、その時期は意見収集を通じて決定する予定である。さらに、制度導入初期には、予測情報や推定情報を活用した開示に対してセーフハーバー(Safe Harbor)を付与する方針である。すなわち、適切な方法論や外部データを活用して合理的に推定した場合には、事後的に誤りが発見されたとしても免責を認めることとする。加えて、制度導入初年度においては、開示義務違反に対する制裁よりも、指導やコンサルティングを中心とした制度運用を行う予定である。 このようなESG開示制度の施行に向けたロードマップの草案が発表されており、近いうちに最終案が確定する見込みだ。したがって、持続可能性開示は28 年から適用され、スコープ3の開示についても31 年から義務化される予定である。この開示制度は、直接開示義務を負う大企業だけの問題ではなく、バリューチェーンに含まれる多くの中小企業にも影響を及ぼすものである。そのため、制度の施行に備え、対象となる中小企業においても炭素排出量の管理に向けて自ら準備を開始する必要があると考えられる。 |
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