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January 19, 2018 |
韓国における退職金制度韓国における退職金制度 韓国の退職給付制度にはいくつかの種類があり、会社ごとに採用している退職給付制度が違います。会社によっては確定寄与型(確定拠出型、DC型)と確定給与型(確定給付型、DB型)のうちいずれかを採用していますが、両方とも採用している場合もあります。また、従来の退職金制度を採用している場合もあります。本稿では韓国における退職給付制度の概要について説明します。 会社は「勤労者退職給与保障法」に基づき退職金を支払うため確定寄与型退職年金制度や確定給与型退職年金制度、個人型退職年金制度(勤労者10人以下の事業場の場合、選択的加入)、従来の退職金制度(勤続年数1年につき30日分の平均賃金を支払う)のうち一つ以上の制度を設定することとなっています。各制度に関する詳しい内容は下記の通りです。
「勤労者退職給与保障法」に基づき常時雇用勤労者5人以上を雇っている会社では、1年以上継続して勤務した勤労者が退職する場合、退職金として勤労年数1年につき30日分以上の平均賃金を支払わなければなりません。ただし、継続勤労期間が1年未満である勤労者や4周間平均して一週間の所定勤労時間が15時間未満である勤労者に対しては、退職金の支給義務はありません。特に、勤労者に該当しない役員の場合、勤労基準法では退職金支給義務がないとされているため、会社の定款若しくは退職金支給規定などで退職金規定を定めた場合に限り支払うことができます。また、役員に支払う退職金に対しては、法人税法により定款及び退職金規定等で支給する金額を定めているかどうかによって役員の退職金限度額が違ってきます。 確定給与型退職年金制度では、社員が退職する場合、退職金に相当する金額を加入者が指定した個人型退職年金に移転しなければならず、個人型退職年金に移転する場合、退職所得税は年金を支給する際年金所得税に課税が繰り延べられ退職所得税の徴収や納付の必要がありません。 確定寄与型退職年金制度では、 加入者は、退職するときに受ける給与に代えて運用中である資産を加入者が設定した個人型退職年金制度のアカウントに移転するよう求めることができます。従って加入者の要請があった場合、退職年金事業者は運用している資産を加入者の個人型退職年金制度のアカウントへ移転しなければなりません。 個人型退職年金制度を運用している会社の場合は、勤労者の退職金に相当する金額を個人型退職年金に納入することで退職金支給に関連したすべての義務を果たすこととなるので、勤労者が退職する際特に行うべき手続きはありません。 従来の退職金制度を運用している会社では、支給事由が発生した日(退職日)から14日以内に勤労者の選択に応じて退職金を一時金で支払うか、若しくは個人型退職年金(IRP)に移転することとなっています。退職金を一時金で支払う場合、会社は退職所得税及び地方所得税を源泉徴収したうえで支払った日の翌月10日まで申告及び納付をしなければなりません。一方、14日を経過して退職金を支給する場合は年利20%の利息を加算して支給することとなっています。 前述した通り韓国における退職給付制度には4種類があり、各会社の状況に応じて適用する退職給付制度は違います。 今回は各退職給付制度の支給対象を始め、退職金算出及び支給方法等に関してまとめてみましたが、韓国の退職金制度をご理解頂くうえで少しでもお役に立てれば幸いです。 <筆者紹介> 信和会計法人は、2003年に設立され、韓国進出を目指している企業、または進出済みの日本企業向けに、法人の設立に関するご相談および設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部出身のベテラン会計士を中心に設立され、豊富な経験とノウハウを活かし、日本企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。 今回の担当: 張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院でMBA取得。1989年~2003年に英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年~1995年に日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)に派遣勤務。現在は、信和会計法人の国際部代表。 |
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