付加価値税申告時の注意事項

 2022年7月25日は第1期付加価値税確定申告期限日だ。 個人一般課税者496万人と法人事業者117万社など対象者613万人は同日までに上半期分付加価値税を確定して申告しなければならない。 また、税法改正により税金計算書を発給した簡易課税者(直前年度供給代価が4800万ウォン＝約504万円＝以上の簡易事業者)も申告義務が新設されたので、7月25日までに付加価値税を申告·納付しなければならない。 税金計算書を発給していない簡易課税者は、告知された税額を7月25日までに納付すればいい。 ここでは今回の付加価値税申告時に注意しなければならない事項について調べることにしよう。

 まず、今回の付加価値税申告時に新型コロナウイルス感染症（COVID-19）被害事業者に納付期限延長など税政支援が施行される。 新型コロナウイルス感染症によって4月17日まで施行された営業時間制限、施設人員制限など防疫措置で売上高が減少した41万人余りの個人事業者の納付期限が2カ月(9月30日まで)職権延長される。 しかし、これは納付期限だけが延長されるもので、申告は7月25日までにしなければならない。その他に経営上困難に陥っている事業者も納付期限延長を申請する場合、韓国国税庁は3カ月以内で積極的に承認する方針を明らかにした。 このような支援申請は税務署を訪問する必要なくホームタックスに接続したり、郵便などの非対面方法で申請したりすることができる。 そして中小企業、零細企業、革新企業、コロナ被害企業などが付加価値税還付申請をする場合には法定還付期日より10日以上早く、早期還付の場合には7月29日まで一般還付の場合には8月12日まで還付を行い中小企業などの流動性支援を行う予定だという。

 今回の付加価値税申告では非対面申告サービス拡充のためにモバイル申告対象が拡大された。 これまでは零税率売上がある事業者はモバイル申告が不可能だったが、今回の申告からは国税庁では零税率売り上げ明細書、輸出実績明細書、内国信用状·購買確認書電子発給明細書、零税率添付書類提出明細書などの複雑な零税率関連書式もモバイルで追加開発したので零税率売り上げがある事業者はモバイルで申告することを検討してみるのも良いだろう。

 また、事業者の申告に役立つようホームタックスの「申告支援サービス」では申告者の個別分析資料、基本事項、過去申告内訳、税法改正、税法解釈事例、最高裁主要判例などの多様な案内資料が提供される。 そしてすべての事業者が簡単に理解できるようグラフなどで視覚化した最近2年間の付加価値税申告状況、クレジットカードおよび現金領収書売り上げ比重、免税売り上げ比重などの資料と同一業種売り上げ·仕入れ分析資料、誤って申告またはミスしやすい事例など申告時に留意する事項なども提供している。 そして個別申告者の申告の参考になるビッグデータ、外部機関課税資料、課税基盤(税金計算書·クレジットカード·現金領収書)などを分析し、業種別特性にともなうオーダーメード型支援資料が112万人の事業者に拡大提供される。

 上記のような申告支援資料は申告者の誠実申告に役立つ反面、不誠実に申告した場合には国税庁の電算上で比較的容易に把握されるとも見られる。 国税庁では不当な還付申請に対しては「不当還付検索システム」と「電子税金計算書早期警報システム」などを通じて加工輸出疑惑、不良取引先との取引、共通仕入税額案分計算漏れなどの反復的脱漏タイプや電子税金計算書授受状況分析を通じた加工·虚偽発行疑惑などの非正常的疑惑取引などを重点的に検証する計画だというので加算税が非常に高い付加価値税申告時に必ず留意しなければならないだろう。


<筆者紹介>
信和会計法人は、2003年設立され、韓国進出を目指している企業、または進出済みの日本企業向けに、法人の設立に関するご相談及び設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部出身のベテラン会計士を中心に設立され、豊富な経験とノウハウを活かし日系企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。
今回の担当：張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人）にて勤務。日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)にて派遣勤務。現在は信和会計法人の国際部代表。(TEL: 02-555-9211/E-mail: tichang@swacc.com)


<出典：NNA ASIA アジア経済ニュース、2022.7.14 https://www.nna.jp/>