韓国の税務・会計資料

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June 18, 2019
by swacc

国外事業者の電子的サービスに対する課税対象の拡大

国外事業者の電子的サービスに対する課税対象の拡大

 

国外事業者の電子的サービス課税制度は、課税される非居住者及び外国法人の事業者がオープンマーケットなどを通じて電子的サービスを韓国国内に供給する場合、国内で用役を供給したこととみなし、そのオープンマーケットなどが納税義務者となり韓国に付加価値税を申告・納付する制度で、2015年7月から施行されている。

電子的サービスとは、移動通信端末装置又はパソコンなどに保存されて駆動される、又は保存されずにリアルタイムで使用できるものであり、ゲーム・音声・映像ファイル、電子文書やソフトウェアといった著作物などとして光又は電子的方式で処理し、符号・文字・音声・音響及び映像などの形態で制作又は架空されたものなどをいう。

国内オープンマーケット(SKT, KTなどのアプリケーションストア)などを通じて国内でダウンロードされるゲーム・音声・映像に対して国内開発者が開発したアプリケーション(アプリ)の場合、国内開発者が付加価値税を申告・納付し、海外開発者のアプリの場合は、国内オープンマーケット事業者などが申告・納付している。海外オープンマーケット(Google、Appleなどのアプリケーションストア)などを通じて国内でダウンロードされる取引に対しては、国内開発者のアプリの場合、国内開発者が申告・納付し、海外開発者のアプリの場合、2015年付加価値税法の改正前までは海外開発者及び海外オープンマーケット事業者いずれも納付していなかったが、法改正以降は、海外オープンマーケットで取引される海外開発者のアプリの場合も海外オープンマーケット事業者が国税庁ホームページで簡便事業者登録をし、付加価値税を納付することと変更された。申告期限は四半期終了後25日以内までであり、一般付加価値税の申告期限と同様である。

2019年7月1日からはその課税対象範囲が拡大される。今まで課税されてきたゲーム・音声・映像ファイル又はソフトウェアなどの用役に広告用役などが新たに課税対象として追加された。具体的には広告を掲載する用役、クラウドコンピューティングサービス、財貨又は用役を仲介する用役として国内で物品又は場所などの貸与や使用、消費できるように仲介する用役、あるいは国内で財貨又は用役を供給することや供給を受けることなどができるように仲介する用役が追加された。

7月からは国外事業者が国内に供給する電子的サービスのうち、国内で課税される用役範囲が上記のように拡大されるため、海外オープンマーケットで国内にアプリを供給するなどは課税対象になるという点を注意する必要がある。

 

<筆者紹介>

信和会計法人は、2003年設立され、韓国進出を目指している企業、または進出済みの日本企業向けに、法人の設立に関するご相談及び設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部出身のベテラン会計士を中心に設立され、豊富な経験とノウハウを活かし日系企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。

 

今回の担当:張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院でMBA取得。1989年~2003年に英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年~1995年に日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)にて派遣勤務。現在は信和会計法人の国際部代表。(TEL: 02-555-9211/E-mail: tichang@swacc.com)



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