韓国の税務・会計資料

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February 12, 2018
by swacc

約定による債務免除

 


約定による債務免除


 

事業を営む法人は、取引先の倒産や不渡り等によって債権を回収できなくなるという状況に陥ることがあります。このような状況を回避するために、取引先が倒産したり不渡りを出す前に約定することで、売掛債権の一部を放棄又は免除し、一部のみを回収することができます。今回は法人税法における債務免除あるいは一部の債権放棄額の処理について調べてみましょう。

法人税基本通達34-62…5の「約定による債権放棄額の貸倒処理」によると、約定によって債権の全部又は一部を放棄する場合でも、これを貸倒損失ではなく寄付金又は接待費とみなします。ただし、特殊関係者以外の者との取引で発生する債権であって、債務者の倒産等により将来回収不能となると見込まれる債権(手形・小切手)等を早期に回収するために、当該債権の一部をやむを得ず放棄した場合、同債権の一部を放棄又は免除した行為に合理的な理由が客観的に存在すれば、同債権放棄額を損金の額に算入します。


上記基本通達に基づき、特殊関係者に対する債権とそれ以外の者に対する債権とに分けて、税務上の取り扱いに関して調べてみます。


1.特殊関係者に対する債務免除

税の負担を不当に減少させる目的で特殊関係者に対する債権を放棄した場合、不当行為計算否認規定を適用して債権放棄額は損金として認められません。


一例として、当該法人が債権者としての正当な権利行使を行ったとしたら、債権の全部又は一部の回収が可能であったにもかかわらず、その権利の不行使又は放棄によって回収できない金額の相当額は貸倒損失として損金の額に算入されません。この場合、法人である株主が、正当な理由なくその株主と特殊関係にある投資法人からの配当金受取の権利を放棄することによって、当該法人の所得税の負担を不当に減少させたものと認められ、不当行為計算否認規定の適用を受けます。

2.特殊関係者以外の者に対する債務免除


特殊関係者以外の者との取引において、債権等の早期回収のために債権の一部をやむを得ず放棄した場合、債権の一部を放棄又は免除した行為に合理的な理由が客観的に存在すれば、同債権放棄額を貸倒損失として認め、損金の額に算入します。

一方、取引先の清算手続きや倒産の危機によって期日を経過し、売掛債権の回収が困難であるとの判断で、債権の一部のみ弁済を受けて残額に対する債権を放棄する旨約定した場合は、債権の早期回収の目的や債権放棄の正当な理由が認められるため、債権放棄額を貸倒損失として認めます。


約定によって債権の全部又は一部を放棄する場合でも、これを貸倒損失としてみなさず、寄付金又は接待費としてみなします。また、業務と係わりのある債務免除の場合は、債権放棄額を接待費としてみなし、接待費の是否認の計算時に適用されるものの、特別な理由なく債権を任意放棄した場合で債権放棄が業務と係わりのない場合は寄付金としてみなします。


筆者紹介


信和会計法人。2003年に設立された信和会計法人は、韓国進出を目指している、あるいは既に進出している日本企業向けに、法人の設立に関する相談や設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部のベテラン会計士が中心となって、豊富な経験とノウハウを活かし、日本企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。


今回の担当: 張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院(MBA)。1989年から2003年まで英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年から1年間、日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)に派遣勤務。現在は信和会計法人の国際部代表。(TEL:02-555-9211、E-mail : tichang@swacc.com)



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