韓国の税務・会計資料

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January 26, 2018
by swacc

外国人投資企業に対する租税支援


国人投資企業する税支援

 

外国人投資による雇用創出、技術移転および生産性向上などの順機能が、様々な研究で立証されています。そして世界各国では、このような外国人投資を誘致するための税制支援や補助金支給など、様々な優遇措置が設けられています。韓国国内においても、外国人投資の活性化を図るために、外国人投資促進法を制定して外国人投資の保護や補助金の支援および租税支援などといった、多様な外国人投資の支援策を行っています。韓国では外国人投資を支援するための最も基本となる法律として、「外国人投資促進法」があります。同法第9条では、外国人投資に対して「租税特例制限法」で定めるところにより、法人税、所得税、取得税、登録税、財産税および総合土地税などの租税を減免することができると規定しています。これによって、租税特例制限法第5章[外国人投資などに対する租税特例]の法第121条の2ないし法第121条の7では、外国人投資促進法による投資に対し、法人税、所得税、地方税(取得税、財産税など)、資本財導入時の関税、個別消費税などの租税減免に関する条項を設けています。その他にも、外国人技術者あるいは外国人労働者に対して、租税特例制限法第18条および同条の2に、勤労所得税減免の規定を設けています。ここでは、租税特例制限法上の外国人投資に対する租税支援について、簡単に調べてみることにします。

まずは、事業所得に対する法人税(所得税)の減免についてですが、先端技術など、韓国で必要とする特定の産業で事業を営むために行われる外国人投資に対して、最大7年間、50%または100%の法人税(所得税)の減免を行ってきました。その対象となるのは、情報処理、ソフトウェア開発、コンテンツ開発、研究開発などの産業支援サービス業および高性能ワークステーションの製造などの先端事業の業種で、かつ、韓国国内で工場または事業場を運営している場合です。このような先端業種への投資に、最低投資額の制限はありません。次は、企業奨励地区や自由貿易地区などを設け、当該地域に入居する外国人投資企業に対して一定期間、法人税(所得税)を減免する租税支援制度があります。これは、個別型外国人投資地域および経済自由地域などに入居する企業のうち、委員会の審議を経た大規模事業(業種によって200万ドルから3千万ドル以上の投資)に対して最大7年間、50%または100%の法人税(所得税)の減免を行っています。そして、経済自由区域の入居事業、経済自由区域の開発事業施行者の事業、済州投資振興地区の開発事業施行者の事業、団地型外国人投資地域の入居事業、企業都市開発区域の入居事業、企業都市開発区域開発施行者の事業、セマングム事業地域の入居事業あるいはセマングム支援特別法による事業施行者およびその他の自由貿易地域の入居企業など、大統領令で定める事業に対しては、業種と投資規模(100万ドルから3千万ドル以上)によって、最大5年間、50%から100%の法人税(所得税)の減免が受けられます。外国人投資企業に対する租税減免制度が始まった当初は、業種および投資額に関係なく、租税減免措置を与えたものの、その減免適用範囲を徐々に縮小してきました。しかし、先端技術業種および大規模投資事業に対する租税減免は今もなお継続しているため、韓国への投資を考えている場合は、このような租税減免制度を十分に利用する必要があると思います。

次は、外国人投資企業として受けられる地方税(取得税および財産税)の免除制度があります。外国人投資企業が申告した事業を営むために取得・保有する財産に対する取得税、財産税について法令による業種と投資額の要件を充足する場合、税額を減免し、または一定金額を課税標準から控除します。

続て、外国人労働者および技術者に対する勤労所得税の減免制度があります。この制度は、高付加価値分野の投資誘致を図るために、優秀な労働者および技術者に支払われる給与等の所得に低い税率を適用したり、税額減免を行う制度です。租税特例制限法上、その資格を有する技術者に対して、最初の2年間は50%の勤労所得税が減免されます(2018年まで適用)。一方、資格を有する技術者でない外国人労働者に対しては、17%の単一税率を適用することで、所得税の最高税率ではなく、低い税率を給与に適用することができます(2016年まで適用)。勤労所得税の減免を受けるには、勤労を提供した日が属する月に減免申請を行わなければなりません。このような勤労所得の減免優遇措置は、日没制(時限立法)であるため、減免制度の延長について国会の議決を経なければ、優遇は適用されません。従って、韓国在住の外国人労働者における所得税の負担増加が見込まれます。

外国人投資家又は外国人投資企業が租税減免を受けようとする場合は、租税減免の申請を行わなければなりません。外国人の投資企業が減免申請期限が経過した後に減免申請をし、減免決定を受けた場合は、その減免申請日が属する課税年度およびその後の残存減免期間に限り税額を減免します。この場合、外国人投資企業が減免決定を受ける前に既に納付した税額があっても当該税額は還付されません。従って、外国人投資時は、必ず租税減免制度について検討を行う上で、減免対象となる事業の場合は、減免申請をすることによって不利益を回避することができます。

外国人投資による法人税又は所得税の減免を受けた外国人投資企業は、外国人投資基本法によって登録が抹消になった場合、当該外国人投資企業が廃業する場合などの事由が発生した場合、その事由発生日が属する課税年度の課税標準申告を行う時に計算した税額に利子相当加算額を加算して所得税又は法人税として納付しなければなりません。すなわち、租税減免の優遇措置の適用を受けてから、特別な理由なく、5年以内に廃業、株式譲渡などを行う場合は減免された税額を追徴されることもありますので、注意を払うべきです。

以上、外国人投資に対する租税減免の優遇措置である租税特例制限法を中心として調べてみました。しかし、実際の適用にあたっては、関連法律および規定にて定義している要件などについての検討が必要です。なお、専門家によるサポートの必要性についても検討する必要があります。

筆者紹介

信和会計法人は、2003年に設立され、韓国進出を目指していたり、既に進出している日本企業向けに、法人の設立に関するご相談および設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部におけるベテラン会計士を中心として設立され、豊富な経験とノウハウを活かし、日本企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。

○今回の担当: 張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院(MBA)。1989年~2003年に英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年~1995年に日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)に派遣勤務。現在は、信和会計法人の国際部代表。



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