韓国の税務・会計資料

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January 26, 2018
by swacc

接待費

接待費

  

 

法人税の税務調整を行っていると、接待費に関連した否認費用が相当な部分を占めていることがわかります。特に、営業に占める接待費の割合が高い場合、税法で規定している限度額を超過するケースが多いですが、案外接待費に関連した適格証憑を使わず費用として認められない場合もたくさんあります。本号では接待費に関連した規定について調べてみます。

 

定義

 

法人税法上接待費は、接待費及び交際費・謝礼金・その他名目のいかんを問わずこれらに類した性質の費用として法人が業務に関連して支出した金額と定義しています。通常財務諸表上の接待費項目に限らず、勘定科目のうち接待費の外に会議費、福利厚生費、支払手数料などにおいても法人税法上の接待費の定義に合致する金額に対しては、税務調整を行う際同じく接待費の規定が適用されるので注意しなければなりません。

 

適格証憑

 

1万ウォンを超過する接待費(慶弔金除外)に対しては、必ず法人名義のクレジットカードで決済または税金計算書、現金領収証(接待費を支出した会社の事業者登録番号を入力したもの)などを受け取らなければなりません。そうでない場合、適格証憑の未使用とみなされ費用として認められません。また、個人事業者の場合は、代表者個人名義のクレジットカードや従業員名義のクレジットカードで決済しなければ費用処理はできません。

 

さらに、20万ウォンを超過する慶弔金の場合、法人は法人名義のクレジットカードで、個人は代表者や従業員名義のクレジットカードで決済しなければなりません。また、花輪などを贈る場合は、クレジットカード決済または税金計算書を受け取った場合に限り接待費として認められます。しかし、ご祝儀や香典などは通常現金で支給するため適格証憑を受け取ることができません。こういう場合は20万ウォン以下の支給額に対しては費用として認められますが、20万ウォンを超過する支給額に対しては全額費用として認められません。

 

ただし、ご祝儀や香典を20万ウォン以下で支給する場合でも慶弔金の支給事実を確認できる会社の規程や客観的な資料(招待状や訃報通知書など)がなければ費用として認められません。

 

限度超過額

 

適格証憑を使用しない接待費はまず費用として認めてもらえず、それ以外の金額に対しては接待費限度額を算出して同限度額を超過する金額は費用として認めてもらえません。接待費限度額は、下記の1、2項目を合わせた金額です。

 

1.1千200万ウォン[中小企業の場合、1千800万ウォン(2016年12月31日が属する事業年度までは2千400万ウォン)]*(事業年度の月数/12)

2.当該事業年度の収入金額に次の表に規定された適用率を乗じて算出した金額。ただし、特殊関係人との収入額については、その収入額に次の表に規定された適用率を乗じて算出した金額の100分の10に相当する金額とします。

 

収入額

適用率

100億ウォン以下

20/10,000

100億ウォン超過500億ウォン以下

2千万ウォン+ 100億ウォン超過分の10/10,000

500億ウォン超過

6千万ウォン+ 500億ウォン超過分の3/10,000

 

 

会社の営業活動のためには業種の特性により接待費が発生しますが、接待費支出の際はなるべく適格証憑を使用し、収入額に応じた接待費限度額を考慮すれば追加的な税負担は避けられると思います。

 

<筆者紹介>

信和会計法人は、2003年に設立され、韓国進出を目指している企業、または進出済みの日本企業向けに、法人の設立に関するご相談および設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部出身のベテラン会計士を中心に設立され、豊富な経験とノウハウを活かし日本企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。

今回の担当: 張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院でMBA取得。1989年~2003年に英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年~1995年に日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)にて派遣勤務。現在は信和会計法人の国際部代表。(TEL: 02-555-9211/E-mail: tichang@swacc.com)



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