韓国の税務・会計資料

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January 26, 2018
by swacc

韓国における役員の報酬と賞与


韓国における役員の報酬と賞与

 

韓国に設立された企業なら外国企業でも韓国の法令に基づく役員報酬及び賞与の基準が必要となります。特に、役員の場合は商法及び法人税法上求められる要件があるので、税務上不利益を被らないようあらかじめ法令の要件を満しておくのがよいでしょう。今回は韓国における役員の報酬及び賞与に関連した法令をご紹介します。

 

役員報酬

 

役員報酬は定款でその額を定めていない時は、株主総会の決議により定めるものと定義されています(商法第388条)。ただし、商法で定めている限度額を超える役員の報酬については法人税法上の費用としては認められません。

 

一方、法人の非常勤役員に支給される報酬は法人税法第52条「不当行為計算の否認」に該当する場合を除いては費用として認められます(法人税法施行令第43条4項)。つまり、法人税法第52条は法人が非常勤役員に支給した給与が法人の規模や非常勤役員の業務内容などと照らし合わせ、その法人の所得に対する租税の負担を不当に減少させたものと認められる場合のことを言います。

 

役員賞与

 

賞与とは、定期給とは別に支払われる不定期的な給与のことで、法人税法では定期給である役員の報酬より費用処理の要件が厳しくなっています。

 

最も一般的な役員に対する賞与要件を定めている法人税法施行令第42条2項によりますと、法人が役員に支給した賞与が定款、株主総会、社員総会または理事会の決議により定めた給与支給基準を超えている場合、その超えた金額は法人税法上の費用として認められません。

 

従って、定款、株主総会、社員総会または理事会の決議で具体的な役員の賞与支給基準は定めず限度額だけを規定し、別途の具体的な支給基準を設けていない場合、その支給額は法人税法上費用として認められません。

 

それに、法人が役員又は使用人に対し利益処分により支給する賞与は損金に算入されません(法人税法施行令第43条1項)。ただし、合名会社または合資会社の労務出資社員に支給する報酬は利益処分による賞与として認められます。

 

また、法人が支配株主などの役員又は使用人に対し、正当な事由なしに同一職位にある支配株主など以外の役員又は使用人に支給する金額を超えて報酬を支給した場合、その超えた金額は、法人税法上の費用として認められません(法人税法施行令第43条3項)。

 


支給方法

 

一般的には役員賞与支給規定に「会社の経営上必要に応じて取締役会の決議により支給することができる。」という規定を設け、理事会の決議によりその支給時期と金額を決めて役員賞与を支給します。

ここで注意すべきことは、賞与支給基準の限度を超えて支給しないこと、支配株主の役員だけに支給することがないようにすることです。例えば、社内取締役が二人いるのに筆頭株主の代表理事だけに賞与を支給する場合、不当行為計算の否認により法人税法上の費用として認められない恐れがあるので留意しなければなりません。

 

以上韓国における役員に対する給与及び賞与に対する規定をまとめてみました。商法や税法の内容をいちいち把握するのは難しく、企業の規模や資金繰り等により様々なケースがあるので常に専門家とご相談の上自社に適した方策を立てておくことをお勧めします。

 

<筆者紹介>

信和会計法人は、2003年に設立され、韓国進出を目指している企業、または進出済みの日本企業向けに、法人の設立に関するご相談および設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部出身のベテラン会計士を中心に設立され、豊富な経験とノウハウを活かし日本企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。

今回の担当: 張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院でMBA取得。1989年~2003年に英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年~1995年に日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)にて派遣勤務。現在は信和会計法人の国際部代表。(TEL: 02-555-9211/E-mail: tichang@swacc.com)



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