韓国の税務・会計資料

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January 19, 2018
by swacc

貸倒引当金及び貸倒金


貸倒引当金及び貸倒金



 法人税の税務調整において、貸倒引当金や貸倒金は代表的な調整項目です。税務調整を行う際、貸倒引当金の調整項目がない場合がありますが、これは会計決算において債権に対し繰入率1%を適用しているのが法人税法上の適用要件と一致したためです。しかし、企業会計基準では、債権等に対し合理的かつ客観的な基準に基づいて算出した貸倒見積額を貸倒引当金として計上することとなっているので、法人税法における貸倒引当金積立率とは異なることに注意する必要があります。今回は貸倒引当金の積み立て、貸倒処理、貸倒税額控除、必要な書類等についてご説明します。

貸倒引当金

貸倒引当金は、期末に回収不能と予想される債権に対し貸倒引当金を設定し、損金として処理する勘定です。法人税法では貸倒引当金の繰入限度額が定められているので、限度額内でしか損金に認められず、限度額を超過した分は損金不算入となります。貸倒引当金の繰入限度額は、期末における法人税法上の債権の帳簿価額に繰入率を乗じた金額ですが、繰入率は1%(ただし、金融機関は2%)又は前期末における法人税法上の設定対象となる債権価額に占める当期法人税法上の貸倒金の割合のうち、大きい割合を適用します。このため、会計決算においても同じく繰入率1%を適用する場合がありますが、会計上は個別に債権の貸倒見積額を算出するか、あるいは過去の貸倒実績率の平均値に基づいて算出する等合理的かつ客観的な基準をもって貸倒見積額を算出しなければならないのです。法人税法で一定率を適用する方式とは異なりますので特に注意が求められます。


貸倒金


一般的に商取引上発生する売上債権が債務者の破産、強制執行、刑の執行又は事業廃止や死亡、失踪、行方不明、その他の債権の消滅時効完成等により回収不能となり未回収債権額が発生した場合には、次のように反映します.


法律上請求権が消滅し回収できなくなった下記の債権については、貸倒事由が発生した日が属する課税期間において法人税法上損金として算入します。


- 商法による消滅時効が完成した売掛金と未収入金

- 手形法による消滅時効が完成した手形

- 小切手法による消滅時効が完成した小切手

- 民法による消滅時効が完成した貸付金及び前渡金

- 更生計画認可の決定又は裁判所の免責決定により回収不能と確定した債権


- 民事執行法の規定により競売が取り消された差押債権

- 物品の輸出又はは海外での役務提供による債権で外国為替取引に関する法令に基づいて債権回収義務が免除されたもの

債務者の破産、強制執行、刑の執行、事業廃止、死亡、失踪、行方不明により回収不能な債権、不渡発生日から6ヵ月以上経過した小切手又は手形上の債権及び売掛金、回収期日が6ヶ月以上経った債権のうち、債権価額が20万ウォン以下の債権(債務者別基準)等に限っては、決算調整事項と見なし事由が発生した後、損金算入の時期を選ぶことができます.

貸倒税額控除


貸倒税額控除とは、貸倒事由を満たしている債権等の付加価値税に該当する金額について、付加価値税申告時の税額控除を受けることで、売り手は貸倒が確定した日が属する課税期間における売上税額から控除される一方、買い手は仕入税額から除外されます。ただし、付加価値税が課される財貨又は役務の供給により発生した債権の貸倒金で貸倒事由を満たさなければならず、供給した日から5年が経過した日が属する課税期間における確定申告期限までに貸倒が確定されたものに限ります。貸倒税額控除額は、貸倒金額(付加価値税を含む)に対して10/110を適用した金額です。


必要な書類

会社が債権を貸倒等として確定するためには、客観的な資料に基づいてその債権が回収不能であることを立証しなければなりません。下記のように状況に応じて必要となる書類は違います。


- 債務者の破産、強制執行等により回収できない場合:裁判所による破産、強制執行に関する書類

- 債務者の死亡、失踪、行方不明により回収できない場合:戸籍謄本、裁判所による失踪届出書類、役所等による職権抹消が確認できる書類等


- 不渡りが発生した日から6ヶ月が経過した債権:銀行による不渡確認書


<筆者紹介>


信和会計法人は、2003年設立され、韓国進出を目指している企業、または進出済みの日本企業向けに、法人の設立に関するご相談及び設立代行、会計、税務、給与サービス、支給代行サービス、会計監査、デューデリジェンス(Due Diligence)サービス等を提供しております。大手会計法人の日本事業部出身のベテラン会計士を中心に設立され、豊富な経験とノウハウを活かし日系企業のクライアント様に最善のサービスを提供しております。

今回の担当: 張太日(チャン・テイル)公認会計士(韓国)。1963年生まれ。サンダーバード(Thunderbird)経営大学院でMBA取得。1989年~2003年に英和会計法人(現在、Ernst&Young韓英会計法人)にて勤務。1994年~1995年に日本太田昭和監査法人(現在、新日本有限責任監査法人)にて派遣勤務。現在は信和会計法人の国際部代表。(TEL: 02-555-9211/E-mail: tichang@swacc.com)



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