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September 18, 2020 |
外貨建取引の会計処理外貨建取引の会計処理 韓国に進出している日系企業の中には輸出入業を営む企業が多く、輸出入時には外貨会計処理問題が発生し、期末には外貨資産負債の換算問題が発生する。ここでは韓国の企業会計基準と税法の規定による外貨取引の会計処理と換算問題について検討してみたい。 外貨取引が発生すると、原則的に取引日の現物為替レートで記録する。ただし、企業会計基準書によると、為替レートの変動が重要でない場合には一定期間の平均レートで記録することも認めている。
しかし、輸出取引の場合、付加価値税法は輸出時(一般的には船積時)の基準レートを使って売上高を認識するよう規定しているので、実務的には平均レートよりは取引日の現物レートを使って売上高を記録している会社が多い。
この場合、前受け金を受取ってから輸出をする場合、受け取った外貨を輸出日前にウォンに両替するか、あるいは輸出日以後に両替するかによって付加価値税法上の売上高と企業会計基準上の売上金額が異なるので注意する必要がある。
企業会計基準上は一般的に船積日の為替レートを使って売り上げを記録し、付加価値税法上も原則的には船積み日の為替レートにより売り上げを記録する。
しかし、船積日の前に受け取った外貨を韓国ウォンに両替した場合には、その両替した金額を売り上げとして申告するように規定している。したがって、両替日の為替レートと船積日の為替レートが異なると企業会計基準上の売り上げと付加価値税法上の売り上げが変わることになる。その差額は外為差損または外為差益として処理する。
最初に記録した外貨建て債権または債務は、その外貨の入金または決済により債権債務が解消される。この時にも為替レートの変動により最初に記録した金額と入金または決済金額の差が発生する。この差額も外為差損または外為差益として処理する。
この為替変動のリスクを避ける為に為替予約などのデリバティブ取引をする場合も多く見られる。デリバティブ商品の会計については後でみることにする。
期末になると期末まで決済されずに残っている外貨資産・負債の換算問題が発生する。企業会計基準によると、売掛金、買掛金などの貨幣性資産・負債は期末の為替レートで、歴史的原価で測定する非貨幣性項目に対しては取引日の為替レートで、公正価値で評価する非貨幣性項目は公正価値評価日の為替レートで、それぞれ換算する。また、非貨幣性項目から発生した損益をその他包括損益(資本の部)に処理する場合には為替変動効果もその他包括損益に処理し、非貨幣性項目から発生した損益を当期損益に処理する場合には為替変動効果も当期損益に処理する。
法人税法上は金融会社と金融会社以外の会社との外貨換算規定が異なっている。一般企業の場合は貨幣性資産・負債とリスクヘッジ目的の為替予約などが評価対象で発生日の為替レートを使う方法と期末の為替レートにより換算する方法との中で一つを選択することができる。企業会計基準による会計処理方法と一致させる為には期末の為替レートにより換算する方法を選択するのが望ましい。
金融会社は貨幣性項目と通貨先渡し(一般会社とは違ってリスクヘッジ目的がなくても構わない)などが評価対象になる。金融会社は貨幣性項目に対しては期末の為替レートで換算しなければならないが、通貨先渡しなどに対しては、契約日の為替レートを使う方法と期末の為替レートで換算する方法との中で一つを選択することができる。一回選択して管轄税務署に申告した換算方法は継続適用しなければならないが、金融会社ではない一般企業の場合は申告5年以後は換算方法の変更の申請が可能になる。
以上簡単に外貨建て取引の会計処理問題について原則的な規定を検討してみたが実際の適用にあたっては、専門的な検討が必要であると考えられる。
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